森で切った木はどうなる? 間伐体験&加工の流れを見学


STEP2「実感してみよう」
2019年8月31日(土)10:30~15:30


夏の終わりに実施した『森イキ!デザイニングプロジェクト』設楽プログラム第2回。いよいよ森の整備をはじめます。今回からの参加者も新たに増え、この日なごやからの参加メンバーは総勢18人になりました!

小道づくりのスタートは、間伐の体験から!

前回同様、廃校となった旧小学校を活用した、神田ふれあいセンターでのレクチャー後、神田区の近藤さんの案内のもと森へ向かいます。森に着くと、田口森林組合の伊藤郁生さん、神田で木工作品の工房を営み日々森の整備をされている宮本典幸さんたちが迎えてくれました。
まずは山で作業する時の儀式として、お浄めの塩をまきます。

神田全体の山林は1400ha、その81%が植林によるもの。木の種類はスギが6割、ヒノキが3割ほどのほか、広葉樹もみられるのだそうです。それぞれの葉を見て違いを教えてもらいます。


間伐は、プロによるお手本を見学。宮本さんは、チェーンソーの達人です!

とはいえ、一歩間違えれば事故につながる危険な作業。木の倒れる方向などを確認し、声をかけあいながらの慎重な現場の空気を間近にし、緊張が走ります。

倒すときにはお手伝い。滑車を利用し安全な位置からみんなで一斉にロープをひき、見事ねらい通りに倒すことができました!

間伐(伐採)初心者ばかりのなごやメンバーズ。文字通り「身の丈サイズ」ということで細めの木を、のこぎりを使って伐採。何人かで交代しながらようやく1本を切ることができました。

一通りの説明を受け、実践タイムに入ります。「のこぎりで木を切る」「切った木の皮をはぐ」「枝払いした枝などを拾ってまとめる」のどれか、分担作業を行おう、ということで、作業スタート!

この日は整備初回ということで、1時間ほどの作業で終了。刈った木の一部をウッドチッパーという機械でチップ化する様子まで見せてもらいました。やりきれなかった片付けは宮本さんたちが引き受けてくださることに。神田の皆さんにおまかせにしすぎないことも、今後の課題といえそうです・・・。

カラダを動かした後はおなかもペコペコ。本日のお昼ごはん、メインディッシュは水がきれいな神田ならでは!な手作りこんにゃくと、彩り豊かな野菜たちです。なかでも、この地区の一部でしか栽培されていない貴重な「茄子」を、地元NPO「三遠南信Maido倶楽部」佐々木さんのご厚意で、食べさせていただきました。

市場には出ず、東京の料亭からも取り寄せがあるという幻のナス!スライスしたら、なんと生のままでいただきます。みずみずしく、梨のような食感にやさしい甘みが広がり、「こんなの初めて食べた!」「ナスが苦手だったけど、これなら食べられる!」といった声があちこちで聞かれました。

木材加工の現場を見てみよう

午後は「田口森林組合」と、隣接する「奥三河木材協同組合」に会場を移し、木材の加工や流通について学びます。

写真と動画で最新の重機を活用した伐採から運び出されるところなどの技術を見せてもらい、実際に加工された製品なども紹介いただきました。なんと、なごや環境大学事務局にもある見なれたESDの看板も、メイドイン設楽でした!
また、伊藤さんのお話にあった、「昭和55年に1haあたり1,000万円だった木材の価格が、今は30万円まで落ちている」といった林業が直面する厳しい現実に、一同は驚きます。

その後は森林組合の作業場の見学に移ります。
加工の段階に応じて、いくつかの建物を順に見せてもらいました。

至るところに積み上げられた、形状のちがう柱や木片に、みなさん興味深々。
設楽の組合だけですべての加工をするのではなく、一部は他県の加工先へ運搬し、そこから住宅販売会社など様々な取引先へ流通されていくとのことです。

木にふれ、現場の声を聞き、実感できたことは?

見学を終えたメンバーは、今日の感想を話します。
「神田の皆さんは森を大切にされている」「木は癒しの存在だったけど、衣食住との関わりが見えた」「森に置いてきた木をうまく使えないか」・・・
午前中の間伐(伐採)体験での実感と、午後の見学で得た、森林の管理や加工の流れ、林業をとりまく現状を知り、一回目とも違った意識の変化が生まれてきたようです。

次回は、これまでのプログラムで得た学びから、課題やアイデアなどのアウトプットをはじめます。基本プログラム・森の小道づくりも、もちろん続きますよ!

記:事務局あまの

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